犬のあくびが多いのはなぜ?リラックスだけじゃないその意味と注意したいサイン

犬のあくびが多いのはなぜ?リラックスだけじゃないその意味と注意したいサイン 犬について
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犬があくびをするのはどんなとき?

犬があくびをすると、多くの飼い主は「眠いのかな」と思いがちです。しかし、実際には犬のあくびにはさまざまな意味が込められており、単なる眠気だけが原因ではありません。人間と同じように生理現象として自然に出ることもありますが、それ以上に犬ならではの心理的・身体的なサインであることも多いのです。あくびが頻繁に見られる場合、その背景にはストレスや不安、さらには健康上の問題が隠れているケースもあります。

犬のあくびが多くなる理由とは?

心理的なストレスが原因の場合

犬は言葉で気持ちを伝えられない代わりに、ボディランゲージで多くのことを表現します。あくびは「カーミングシグナル」とも呼ばれ、自分の気持ちを落ち着けようとする仕草の一つです。たとえば、動物病院の待合室、知らない犬との接触、家族間の喧嘩など、不穏な空気の中で犬があくびをするのは、まさにストレスを感じている証拠といえるでしょう。自分を安心させようとする防御反応の一環なのです。

退屈や環境への不満の表れ

犬は飼い主とのふれあいが少なかったり、日常の刺激が不足していると、退屈を感じるようになります。そんなときにも、あくびが増えることがあります。とくに、構ってほしいときや、飼い主の指示に戸惑っているときにも「もうわかんないよ」というような、あくびを見せることがあります。これは知的刺激や運動が不足しているサインとしても見逃せません。

疲労や眠気による生理的なあくび

もちろん、犬も疲れているときや眠いときには、自然とあくびが出ます。これは健康な生理的反応のひとつであり、特に散歩や運動後、リラックスした状態のときに多く見られます。このようなあくびは、体を落ち着かせ、リラックス状態に導くための自然な行動です。問題がない限り、心配する必要はありません。

声を出しながらあくびをするのはなぜ?

感情の揺らぎが表れていることも

犬が「フワァ〜」と声を出しながらあくびをする様子は、かわいらしくも感じられますが、実はこれは単なるあくび以上の意味を持つこともあります。声を伴うあくびは、緊張感が強い場面や、相手(人や犬)との関係性を探っているときに見られることがあります。たとえば、新しい環境や新しい家族が加わったときなど、犬自身がどう振る舞うべきか戸惑っているサインかもしれません。

興奮の高まりを抑えようとしている場合も

来客があったときや、散歩前にテンションが上がっているときにも、犬が声を出しながらあくびをすることがあります。これは、心拍数が高まっている状態を落ち着かせようとする無意識の動作です。決してネガティブな感情ばかりではなく、嬉しさや高揚感を自制しようとする自己調整のあらわれとも受け取れます。

あくびが多すぎる場合に考えられる病気

呼吸器や循環器系のトラブル

あくびは酸素を多く取り入れる動作でもあるため、呼吸が浅くなっている場合や心臓に負担がかかっている場合に、それを補うためにあくびが増えることがあります。特に高齢の犬で、運動後や安静時にも頻繁にあくびをしているようであれば、心臓病や肺疾患などを疑う必要があるでしょう。

脳や神経系の異常

まれに、てんかんや脳腫瘍といった神経系の異常の前兆として、繰り返すあくびが見られることがあります。通常の眠気やリラックスとは異なり、ぼーっとしている様子や、同じ動きを何度も繰り返すような兆候があれば、早めの受診が必要です。

内臓の不調や痛みのサイン

犬は痛みを我慢しがちな動物ですが、何か体に違和感があるときにも、頻繁なあくびでそれを紛らわせようとすることがあります。特に食後にあくびを繰り返す場合、胃腸の不調や内臓への圧迫感など、内部の違和感が原因となっている可能性も考えられます。

飼い主ができる観察とケアのポイント

あくびのタイミングを観察する

まず大切なのは、あくびの頻度や状況を冷静に観察することです。日常の中でいつも同じ場面であくびをしているのか、それとも不定期で突発的にあくびが増えているのかを知ることで、原因の見当がつきやすくなります。また、あくびと同時にどんな仕草をしているのか、表情や動作にも注目すると良いでしょう。

ストレス要因を取り除く工夫

あくびの背景にストレスがある場合、まずその原因を減らすことが必要です。静かな休憩場所を確保したり、散歩のルートを変えて気分転換を図ったりと、日常の中で犬がリラックスできる時間を意識して増やしてあげましょう。犬が安心して過ごせる環境づくりは、長期的な健康にも直結します。

十分な運動と知的刺激を与える

退屈からくるあくびを防ぐには、適度な運動と遊びが不可欠です。散歩やドッグランだけでなく、知育トイやトリックの練習など、頭を使う刺激も取り入れることで、心身のバランスが整います。とくに若い犬や活発な犬種には、刺激不足がストレスにつながりやすいため、意識的に時間を設けてあげましょう。

受診の目安と異常サイン

頻繁なあくびが数日以上続く場合、あるいは他の症状(元気がない、食欲不振、嘔吐など)を伴っている場合は、動物病院での診察をおすすめします。見た目には些細な変化でも、犬にとっては大きな不調のサインであることもあります。特に高齢犬や持病のある犬は、日常の様子を丁寧に記録し、小さな変化も見逃さないことが大切です。

まとめ:あくびは犬からのメッセージ

犬のあくびには、さまざまな感情や体の状態が表れています。「ただのあくび」と見過ごさず、愛犬が何を感じているのかに目を向けることが、信頼関係を深める第一歩です。ストレスサインであることもあれば、病気の予兆である可能性もあるため、あくびがいつ、どんな状況で起きているかを記録し、気になることがあれば迷わず専門家に相談しましょう。

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