犬が舌を出したまま寝る理由と注意点。放置しても大丈夫?

犬が舌を出したまま寝る理由と注意点。放置しても大丈夫? 犬について
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犬が眠っているとき、舌が少し覗いている様子を見たことはありませんか。とても愛らしい姿ですが、飼い主としては「これは大丈夫なの?」と不安に思うこともあるでしょう。舌を出して眠る犬の行動の理由や考えられるリスク、放置してよい場合と注意すべきサインについて、飼い主が理解しておきたい情報を解説していきます。

犬が舌を出したまま寝るのはなぜ?

リラックス状態による筋肉の緩み

犬が深い眠りに入ると体全体の筋肉がゆるみ、顔や顎の筋肉も同じように弛緩します。その結果、舌を引き込む力が弱まり、自然に外へ少し出てしまうのです。これは熟睡して安心しているサインでもあり、リラックスした状態だからこそ見られるものといえます。飼い主のそばで安心して眠っているときに起こりやすく、健康な犬なら特に問題はありません。

噛み合わせや口の形の影響

短頭種の犬は顎の構造が独特で、口腔のスペースが小さく舌が収まりにくいため、眠っていると自然に舌が覗いてしまいます。特にフレンチブルドッグやシーズー、パグなどではよく見られる現象です。これは犬種特有の特徴であり、病気や異常ではありません。見慣れていないと驚くかもしれませんが、彼らにとっては自然な寝姿のひとつといえるでしょう。

舌の大きさや歯の状態

犬の舌が相対的に大きい場合や、歯を抜いた後で口腔内の支えが減った場合には、舌が外に出やすくなります。特にシニア犬は歯の喪失や顎の筋力低下により、眠っているときに舌が外に垂れやすくなります。これは加齢とともに現れる自然な変化であり、すぐに異常と考える必要はありません。ただし極端に舌が出て乾燥や荒れが目立つときには注意が必要です。

放置しても大丈夫なケース

健康上の問題がない場合

犬が舌を出したまま寝ていても、呼吸がスムーズで苦しそうな様子がなく、さらに普段の食欲や元気が保たれているなら基本的には心配する必要はありません。特に、寝ているときだけ舌が少し覗いているようなケースでは、リラックスの証拠と考えることができます。

また、若い犬だけでなく、年齢を重ねた犬でも同じように見られることがあります。特に小型犬や短頭種は口腔の構造上、舌が外に出やすいため、健康に問題がない限りは大きな心配は不要です。

一時的に見られる場合

舌を出したまま眠るのが毎回ではなく、日によって見られる程度であれば、多くの場合は問題ありません。特に散歩や遊びで疲れたあとや、暑い日で少しハアハアしたまま眠りに入ったときなど、一時的に舌が外へ出たまま眠ることはよくあります。この場合、舌が出ていても数分から数十分で自然に口の中へ戻ることが多いため、特に介入する必要はありません。

ただし、長時間続く場合や舌が乾燥して傷つきそうな場合には注意が必要です。基本的には「たまに起こる」「すぐに戻る」という条件が当てはまれば、放置していて問題ないケースと判断できます。

注意が必要なケース

呼吸が苦しそうに見える場合

舌を出したまま寝ているときに、呼吸音が普段よりも大きくなったり、いびきが激しく聞こえたりする場合は注意が必要です。特に短頭種は気道が狭いため、睡眠時無呼吸のように呼吸が途切れることもあります。放置すると酸素不足や睡眠の質の低下につながり、心臓や全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。安心して眠れている様子なら問題ありませんが、呼吸が荒い、体を震わせるように息をするなど異常が見られる場合には早めに獣医師の診察を受けることが大切です。

舌が乾燥して荒れている場合

舌が長時間外に出ていると、空気に触れ続けることで乾燥してしまいます。乾いた舌はひび割れを起こしたり、赤く腫れたりすることがあり、そこから細菌感染を招く恐れもあります。特に高齢犬や歯を失った犬では舌が出やすく、慢性的に乾燥しやすい傾向にあります。もし触ってカサカサしていたり、色が変わっているようなら注意が必要です。軽度であれば水分補給や室内の加湿で改善することもありますが、症状が続く場合は口腔内トラブルのサインかもしれません。

神経や筋肉のトラブルが疑われる場合

今まで舌を出して眠ることがなかった犬が、急に頻繁にそうなった場合は要注意です。特に顔の片側だけ舌が垂れるように出ている場合や、よだれが増えたり食べ物を上手く飲み込めない様子が見られるときには、神経系や筋肉に異常がある可能性があります。高齢犬ではこうした症状が病気の初期サインとなることもあるため、変化が見られたら早めに受診し、検査を受けることが愛犬の健康を守る第一歩になります。

飼い主ができるチェックポイント

日常的な観察

犬が舌を出して寝ている様子を普段から観察し、出方や時間の長さに変化がないか確認することが大切です。急に頻度が増えたり、片側だけ舌が出るようになった場合は、健康上のサインである可能性もあります。写真や動画で記録を残しておくと、獣医師に相談する際に症状を具体的に伝えられ、診断の助けになります。

口腔内の健康チェック

歯のぐらつきや歯石の付着、口臭の有無は舌の出やすさと関係することがあります。口腔環境が悪化すると、舌の動きや位置に影響が出るため注意が必要です。日常的な歯磨きやデンタルケアを取り入れ、定期的に動物病院で検診を受けることで、口腔トラブルを予防できます。

水分補給と室内環境

舌の乾燥を防ぐには十分な水分補給が欠かせません。新鮮な水をいつでも飲める環境を整えるとともに、室内の湿度管理も意識しましょう。特にエアコンや暖房を使用する季節は乾燥しやすいため、加湿器を活用することが効果的です。快適な環境は舌だけでなく全身の健康維持にもつながります。

受診を検討すべきサイン

  • 呼吸音が大きく、苦しそうに見える
  • 舌が紫色や青色に変色している
  • 舌の乾燥や傷が続いている
  • 急に頻繁に舌を出したまま寝るようになった

これらの症状が見られる場合は、早めに獣医師の診察を受けることで重大な病気を防ぐことができます。

まとめ:舌を出して寝る犬はかわいいが観察も忘れずに

犬が舌を出して寝る姿はとてもかわいらしいものですが、その背景にはリラックスや体の特徴だけでなく、病気のサインが隠れている場合もあります。ほとんどは放置しても問題ありませんが、呼吸の異常や舌の変色・乾燥が見られる場合には注意が必要です。日常的に愛犬の寝姿を観察し、小さな変化に気づけることが、健康を守る第一歩となるのです。

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