犬がスキップするように歩くのはなぜ?パテラ(膝蓋骨脱臼)の可能性と見極め方、予防策を解説

犬がスキップするように歩くのはなぜ?パテラ(膝蓋骨脱臼)の可能性と見極め方、予防策を解説 犬について
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犬がスキップするように歩く行動の意味とは

散歩中にふと愛犬が後ろ足を浮かせるように歩いたり、数歩だけスキップするような動きを見せたりすることがあります。この行動を見て「どこか痛いのでは?」と心配になる飼い主も多いでしょう。単なる癖のように見えることもありますが、実は関節や神経に関係する異常のサインであることも少なくありません。

特に「片足をぴょこっと上げて走る」「ときどき足を浮かせて跳ねる」などの動きが見られる場合、跛行(はこう)と呼ばれる症状である可能性があります。跛行とは、足をかばうように不自然な歩き方をする状態を指し、ケガや病気によって引き起こされることがあります。

跛行の中でも多い「パテラ」とは何か

跛行の原因にはさまざまなものがありますが、小型犬に特に多いのが「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」、通称「パテラ」です。これは膝の皿にあたる骨が本来の位置から外れてしまう病気で、痛みを伴うことも多く、歩行時に明らかな違和感が出ます。

パテラの程度にはグレード1~4まであり、軽度の場合は一時的に外れても自然に戻ることがありますが、重度になると常に脱臼しており、歩行障害や関節炎、さらには靱帯損傷を招くこともあります。犬が時折スキップするような歩き方をする場合、グレード1や2のパテラが疑われることが多いです。

スキップ歩行が見られたらすぐ病院へ?見極めるポイント

愛犬がスキップするような歩き方を見せたからといって、必ずしも重篤な病気があるとは限りません。では、どのような場合に病院を受診すべきなのでしょうか。

まず、足をかばう行動が一度だけでなく繰り返し見られるようであれば、動物病院での診察を検討すべきです。とくに「いつもと違う様子で座る」「階段を嫌がる」「足を触られるのを嫌がる」など、痛みを訴えるような行動が見られる場合は早めの受診が望まれます。

また、スキップ歩行が日を追うごとに頻度や範囲が広がっている場合や、後ろ足を交互にかばうような動きが見られる場合も注意が必要です。パテラのほか、股関節形成不全や十字靭帯断裂なども跛行を引き起こす原因となります。

足をかばう行動が一度だけでなく繰り返し見られるようであれば、動物y暴飲での診察を検討すべきです。とくにいつもと違う様子で座る

パテラを発症しやすい犬種とその背景

パテラは犬種によって発症リスクが大きく異なります。とくに骨格が華奢な小型犬に多く見られる傾向があります。具体的には以下の犬種がパテラの好発犬種とされています。

トイ・プードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、マルチーズ、パピヨン、フレンチ・ブルドッグなどが挙げられます。これらの犬種は、先天的に膝関節が浅かったり、骨格のバランスに偏りがあるため、成長とともにパテラを発症することがあるのです。

特にトイ・プードルやチワワは、成犬になるまでにグレード1や2のパテラと診断されることも多く、日常の観察と定期的な診察がとても重要です。

パテラや跛行を防ぐためにできる日常の対策

パテラを完全に予防することは難しいですが、日々の生活環境や運動習慣を見直すことで、関節への負担を大きく減らすことは可能です。

まず、床の素材には気を配ることが大切です。フローリングのような滑りやすい床は、膝関節に大きな負担をかけてしまいます。できる限り滑り止めマットやカーペットを敷いて、足が踏ん張りやすい環境を整えましょう。

また、日常的に過度なジャンプや急な方向転換を繰り返す遊びは避け、関節への衝撃を抑えるようにしましょう。ソファやベッドの上り下りにも注意が必要です。段差が大きい場所にはステップやスロープを設置することで、負担を軽減できます。

体重管理もパテラ予防において非常に重要です。体重が増えることで膝への負荷が大きくなり、軽度のパテラが悪化してしまうリスクがあります。とくに避妊・去勢後は太りやすくなるため、運動量と食事量のバランスを見直す必要があります。

動物病院で行われる診断と治療法について

スキップ歩行や跛行が見られて病院を受診すると、獣医師はまず視診と触診によって膝の状態を確認します。脱臼の有無、グレードの判定、痛みの有無などを判断し、必要に応じてX線撮影や超音波検査が行われることもあります。

治療方法はグレードによって異なります。軽度で痛みがない場合は、内服薬やサプリメント、運動制限で様子を見ることもあります。一方、グレード3以上や痛みが強い場合は、外科手術による整復が推奨されるケースもあります。

また、手術後のリハビリや生活習慣の見直しも重要です。再発を防ぐために、術後も滑りにくい床や適切な運動管理が必要になります。

スキップ歩行を見過ごさないために大切なこと

一見可愛らしく見える犬のスキップ歩行も、放置してしまうと関節炎や慢性痛につながることがあります。愛犬の歩き方にわずかな違和感があったとしても、それは体からの重要なサインです。

日々の観察を習慣づけ、「いつもと違う」「なんとなく変」と感じたときには、早めにかかりつけの動物病院へ相談することが、愛犬の健康寿命を延ばす第一歩となります。

まとめ

犬がスキップするように歩く理由には、パテラやその他の関節・神経トラブルが隠れていることがあります。小型犬を中心に発症しやすいこの病気は、早期の気づきと対応が何よりも大切です。生活環境の整備や適切な運動、体重管理など、できることから始めて、愛犬の健やかな毎日を守っていきましょう。

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