秋の訪れとともに、街路樹のイチョウが黄色く色づき、地面には銀杏が落ち始めます。この季節、愛犬との散歩中に銀杏を見かけることも多くなりますが、実は犬にとって銀杏は非常に危険な食べ物です。本記事では、犬の銀杏中毒の症状や対策、散歩中に気を付けるべきポイントについて詳しく解説します。
銀杏が犬にとって危険な理由
銀杏には「ギンコトキシン」と呼ばれる神経毒が含まれており、これはビタミンB6の働きを阻害します。ビタミンB6は神経伝達物質の合成に必要な補酵素であり、その働きが阻害されると、痙攣や意識障害などの神経症状を引き起こす可能性があります。また、銀杏の外種皮には「ギンコール酸」という成分が含まれており、皮膚に触れると炎症を起こすことがあります。さらに、銀杏を殻ごと食べてしまうと、消化不良を起こし、嘔吐や下痢などの症状が現れることもあります。
銀杏中毒の症状
犬が銀杏を摂取した場合、以下のような症状が現れることがあります。これらの症状は、銀杏を食べてから1時間から12時間以内に現れることが多いとされています。
- 嘔吐
- 下痢
- 痙攣
- めまい
- 呼吸困難
- ふらつき
- 意識障害
特に小型犬や子犬、高齢犬は少量の摂取でも重篤な症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
銀杏中毒の致死量
人間の場合、成人で約40粒、子供で7粒程度の銀杏を摂取すると中毒症状が現れるとされています。犬の場合、体重1kgあたり3〜4粒の摂取で中毒を起こす可能性があるとされています。しかし、犬の体格や体質によって中毒を起こす量には個体差があるため、少量でも危険であると考え、銀杏を一切与えないようにしましょう。
銀杏を食べてしまった場合の対処法
愛犬が銀杏を食べてしまった場合、まずは落ち着いて以下の対応を行ってください。
- 口の中を確認する
まだ飲み込んでいない場合は、口の中から銀杏を取り除きます。無理に吐かせることは避け、犬が噛まないよう注意しながら取り出してください。 - 獣医師に相談する
摂取した量や時間を把握し、すぐにかかりつけの動物病院に連絡してください。症状が現れていなくても、早めの対応が重要です。 - 安静にさせる
動物病院に行くまでの間、犬を安静にさせ、体調の変化に注意してください。症状が悪化する場合は、すぐに病院を受診しましょう。
散歩中に気を付けること
秋の散歩では、以下の点に注意して愛犬を守りましょう。
- 銀杏の落ちている場所を避ける
イチョウ並木や公園など、銀杏が多く落ちている場所は散歩コースから外すようにしましょう。 - リードを短く持つ
犬が地面のものを拾い食いしないよう、リードを短く持ち、常に犬の行動を監視してください。 - 拾い食いのしつけを行う
「待て」や「離せ」などのコマンドを教え、拾い食いを防止するしつけを行いましょう。 - 拾い食い防止グッズの活用
口輪やマズルガードなどのグッズを使用することで、拾い食いを物理的に防ぐことができます。
まとめ
銀杏は犬にとって非常に危険な食べ物であり、少量の摂取でも中毒症状を引き起こす可能性があります。秋の散歩では、銀杏の落ちている場所を避け、愛犬が拾い食いをしないよう注意しましょう。万が一、銀杏を食べてしまった場合は、すぐに獣医師に相談し、適切な対応を行ってください。愛犬の健康と安全を守るために、飼い主としての責任を果たしましょう。