共働きでも犬を飼える?理想と現実を知って後悔しないために

共働きでも犬を飼える?理想と現実を知って後悔しないために 犬について
この記事は約7分で読めます。

共働き家庭が増えるなか、「仕事も家庭も大切にしながら犬と暮らしたい」と考える人は少なくありません。仕事の疲れを癒やしてくれる存在として犬は魅力的ですが、現実には「留守番が多くてかわいそう」「思った以上に大変だった」と感じる人も多いのが実情です。

ここでは、共働き夫婦・カップルが犬を飼うことのメリットとデメリット、そして飼う前に確認すべき重要なポイントについて、後悔しないための視点から詳しく解説します。

共働き夫婦が犬を飼うメリット

癒やしと安心感を与えてくれる存在

仕事で疲れて帰宅したとき、玄関で尻尾を振って出迎えてくれる犬の姿は、何よりの癒やしです。孤独を感じやすい都会の生活の中で、犬は無条件の愛情を注いでくれる存在です。夫婦で過ごす時間が限られていても、犬が加わることで家庭に温かさが生まれ、会話や笑顔が増えるきっかけになります。

ストレスが軽減される

犬との触れ合いには、精神的なリラックス効果があります。犬の頭を撫でたり、寄り添ったりすることでオキシトシン(愛情ホルモン)が分泌され、ストレスホルモンのコルチゾールが低下すると報告されています。

忙しい共働き生活のなかで、仕事の緊張をほぐし、穏やかな気持ちを取り戻す時間を与えてくれるのが犬の存在です。毎日の散歩やスキンシップは、心のバランスを整える大切なひとときになります。

生活リズムが整う

共働きの生活では、食事や睡眠の時間が不規則になりがちです。しかし犬の世話には毎日の散歩やごはんの時間があり、それが人間の生活リズムを整える助けになります。早起きして散歩に行く習慣がついたり、休日でも犬のペースに合わせて行動することで、規則正しい生活を自然と送ることができます。

絆を深めるコミュニケーションの中心に

犬の存在は、夫婦やカップルの会話を増やすきっかけにもなります。しつけの方法を相談したり、休日に一緒にドッグランへ出かけたりと、共通の話題が生まれ、協力しながら犬を育てることで関係が深まることもあります。「家族」としての実感を持ちやすく、同じ目標に向かうことで絆を強めることができます。

友達や知り合いが増える

犬を飼うことで、人とのつながりが自然に広がるのも大きな魅力です。散歩中に他の飼い主と挨拶を交わしたり、ドッグランや動物病院、トリミングサロンなどで会話が生まれることもあります。

仕事中心の生活では出会えなかった地域の人々や、犬を通じた友人が増えることで、日常に新しい交流や安心感が生まれます。犬が“社会との架け橋”となり、共働き夫婦の生活に温かな広がりをもたらします。

共働きで犬を飼うデメリット

長時間の留守番によるストレス

犬は本来、群れで行動する社会的な動物です。飼い主が朝から晩まで仕事で留守にしていると、孤独感や不安を感じやすくなります。とくに子犬期は、分離不安症を起こすこともあり、吠え続けたり、家具を壊したりといった問題行動につながることもあります。

また、トイレの間隔が長くなりすぎたり、水を飲めない時間が続くと、健康面でもリスクが高まります。

スケジュールの制約が増える

共働き家庭では、旅行や外食、残業など自由な時間が限られます。犬の散歩やごはんの時間を確保しなければならず、「急な予定変更が難しい」「どちらかが残業できない」といった負担が生まれやすくなります。

犬を飼うことは“癒やし”である一方で、生活の優先順位が犬中心になる場面も多く、仕事との両立に悩む人は少なくありません。

経済的な負担

犬の飼育には、フード代、トイレ用品、ワクチン、健康診断、病気やケガの治療費など、年間で10万円以上かかるのが一般的です。さらにペット保険やトリミング、しつけ教室を利用する場合は、費用がかさみます。

共働き家庭では収入が安定していても、犬のために使える時間とお金のバランスをしっかり考えることが重要です。

しつけがしづらい

犬のしつけには、一貫性とタイミングが欠かせません。問題行動を起こした直後に正しく対応することで初めて学習が成立しますが、共働きの場合は留守中に起きたことをその場で指導できません。

帰宅後に叱っても犬は理由を理解できず、恐怖だけを感じてしまうこともあります。そのため、落ち着いて過ごす習慣やトイレトレーニングなど、基礎的なしつけに時間がかかりやすい点は共働き家庭の課題といえます。

犬の異常に早期に気付きにくい

犬は体調の変化を言葉で伝えられないため、日々の観察が欠かせません。ところが共働き家庭では、仕事中に犬の様子を確認できず、食欲の低下や元気のなさ、排泄の異常などの小さなサインを見逃す可能性があります。

帰宅したときにはすでに症状が進行していた、というケースも少なくありません。健康管理の難しさは、共働きで犬を飼ううえで見落としがちなデメリットの一つです。

共働きでも犬を飼える条件とは?

留守番時間と環境を整える

留守番時間が長くても、犬が快適に過ごせる環境を整えることは可能です。たとえば、エアコンで室温を一定に保ち、水がいつでも飲めるよう自動給水器を設置する、留守番中に退屈しないよう知育玩具を置くなどの工夫が有効です。

また、ペットカメラを設置すれば、外出先から犬の様子を確認したり、声をかけて安心させてあげることもできます。

散歩や食事の時間を家族で分担する

朝と夜の散歩を夫婦で交代制にする、食事やブラッシングをどちらかが担当するなど、家庭内で役割分担を明確にしておくと無理がありません。仕事で忙しい日が続く場合も、お互いにカバーし合える仕組みをつくっておくと安心です。

犬の性格や年齢に合わせて、無理のない生活リズムを構築することが大切です。

ペットシッターや一時預かりを活用する

出張や残業が避けられない日には、ペットシッターやペットホテル、一時預かりサービスを活用する方法もあります。最近では、カメラで見守りながら預けられる施設や、犬のストレスを考慮した少人数制の預かりも増えています。

共働きであっても、社会的な支援やサービスを利用することで、犬との暮らしを持続的に楽しむことができます。

共働きで犬を飼う前に確認しておきたいこと

1. 留守番に向く犬種かどうか

犬種によって、性格や必要な運動量、社交性は大きく異なります。たとえばトイプードルやシーズーなどは比較的室内生活に向いており、留守番にも慣れやすい傾向があります。反対に、ボーダーコリーやビーグルなど活発で賢い犬種は、長時間の放置がストレスになりやすいため注意が必要です。

自分たちの生活リズムに合った犬種を選ぶことが、共働き家庭での飼育成功の第一歩です。

2. 子犬期のしつけと社会化期間をどう過ごすか

犬のしつけや社会化は、生後3~4か月頃に最も重要な時期を迎えます。この時期に一人で長時間留守番をさせると、他者や物音に慣れず、将来的に警戒心が強くなることもあります。

共働きの場合は、子犬期だけでも一方が時短勤務にする、在宅勤務を活用するなど、柔軟な対応を検討しましょう。ブリーダーや保護団体から、ある程度成長した成犬を迎えるのもひとつの方法です。

3. 病気や老後のケアまで想定できるか

犬の寿命は10〜15年ほど。共働きの今だけでなく、将来のライフスタイルの変化も見据える必要があります。転勤、出産、介護など、環境が変わっても責任を持って世話できるかを考えましょう。

また、高齢期には通院や介護が必要になる場合もあります。長いスパンでの経済的・時間的な余裕を確認しておくことが、後悔を防ぐためのポイントです。

「共働きで犬を飼って後悔した」と感じる理由

インターネット上では、「かわいいだけで飼ったら大変だった」「留守番中に体調を崩してしまった」といった声も少なくありません。こうした後悔の多くは、“理想と現実のギャップ”から生まれます。

犬は人間のように言葉で不満を伝えることができず、寂しさやストレスが行動に表れます。吠える、噛む、粗相をするなどの問題行動は、「愛情が足りない」と誤解されがちですが、多くは「構ってもらえない不安」からくるサインです。

共働きでも犬を幸せにできるかどうかは、時間の長さよりも「どれだけ質の高い時間を共有できるか」にかかっています。

共働きでも犬と幸せに暮らすために

犬との暮らしは確かに手間がかかりますが、その分、何ものにも代えがたい喜びがあります。

朝の散歩で季節を感じ、休日には家族で自然の中を歩く。そんな時間が、仕事のストレスを和らげ、生活に彩りを与えてくれます。

共働き家庭が犬を飼うときに大切なのは、「理想の生活を無理に押しつけない」こと。留守番の工夫、生活リズムの調整、家族の協力、そして社会のサポートを上手に取り入れることで、犬も飼い主も幸せに暮らせる環境をつくることができます。

まとめ

共働き家庭が犬を飼うことは、簡単ではありません。しかし、しっかりと準備と覚悟をもって臨めば、犬との暮らしは確実に日々を豊かにしてくれます。

「時間がないから無理」と諦めるのではなく、「どうすればこの子と幸せに暮らせるか」を考える姿勢こそが、共働きで犬を飼ううえでの最大のポイントです。

タイトルとURLをコピーしました