犬の車酔いはなぜ起こる?原因・症状・対策・予防・トレーニング法まで解説

犬の車酔いはなぜ起こる?原因・症状・対策・予防・トレーニング法まで解説 犬について
この記事は約5分で読めます。

犬の車酔いは珍しくない

人間と同じように、犬も車酔いをすることがあります。特に子犬のうちは、乗り物に慣れておらず酔いやすい傾向があります。楽しいお出かけや動物病院への移動中に、犬が嘔吐したり落ち着きをなくしたりすると、飼い主にとっても不安な体験になるでしょう。しかし、犬の車酔いは適切な対処とトレーニングで改善することが可能です。

本記事では、犬の車酔いが起こる原因から具体的な症状、対策、予防、そして長期的に車酔いを克服するためのトレーニング法までを詳しくご紹介します。

犬が車酔いする原因とは?

平衡感覚が未発達、または過敏になっている

犬の車酔いは、主に耳の奥にある前庭器官が関係しています。この器官は体のバランスを感知する役割があり、車の揺れによって刺激を受け続けると、脳との情報のズレが生じ、吐き気や不安感を引き起こします。特に子犬ではこの感覚が未熟なため、車酔いしやすいのです。

不安やストレスによるもの

過去に車に乗って嫌な思いをした経験がある犬は、車に乗ること自体に強いストレスを感じるようになります。そのストレスが吐き気やよだれといった身体的症状を引き起こし、結果的に車酔いにつながります。

匂いや空腹・満腹などの体調要因

車内の匂い(芳香剤やガソリンの臭いなど)が犬にとって不快である場合、酔いやすくなることがあります。また、空腹すぎても満腹すぎても胃の中が不安定になり、車酔いを助長する原因になります。

犬が車酔いしているときの主な症状

犬の車酔いは、必ずしも嘔吐に限られません。初期症状は飼い主が見逃してしまいやすいので注意が必要です。

よだれを大量に垂らす

よだれが普段よりも多く出ている場合は、吐き気を感じている可能性があります。これは車酔いの前兆と考えられるサインです。

ハァハァと浅い呼吸を繰り返す

緊張や不安、吐き気などから呼吸が早くなったり、落ち着かなくなったりすることがあります。

キュンキュンと鳴く・体を小さく丸める

不安感からくる鳴き声や、身を縮めるような体勢も車酔いのサインのひとつです。中には震える犬もいます。

嘔吐・下痢・食欲不振

車に乗ってから嘔吐する場合は明らかですが、帰宅後に食欲がなくなったり、下痢になったりすることもあります。こうした遅れて出る症状も見逃さないようにしましょう。

車酔いしてしまったときの対策

すぐに車を停めて休憩させる

もし移動中に愛犬の様子がおかしいと感じたら、まずは安全な場所に停車し、窓を開けて風通しをよくしてあげましょう。地面に降ろすと、揺れから解放されて落ち着く犬も多いです。

水分補給を忘れずに

嘔吐やよだれで水分が失われやすいため、犬が落ち着いたら少量の水を与えます。一気に飲ませるのではなく、少しずつ口を湿らせるように与えるのがポイントです。

獣医師に相談し、吐き気止めの薬を使用する

症状が重い場合や毎回必ず酔ってしまう犬には、獣医師から処方される乗り物酔いの薬が有効です。市販の人間用薬は絶対に使用しないようにしてください。

車酔いを予防するためにできること

食事のタイミングに気をつける

移動の2~3時間前には食事を終えておくことが理想です。空腹すぎても逆効果になるため、犬によって適切な間隔を調整することも重要です。

換気を良くし、匂いを控える

車内はこまめに換気をし、芳香剤や香水など強い匂いは避けるようにしましょう。犬の嗅覚は人間の何倍も敏感であるため、少しの刺激でも不快に感じやすいのです。

見晴らしのいい位置に座らせる

助手席よりも後部座席の方が揺れが少ないため、犬を乗せるなら後部座席の足元やクレートに入れておくのが望ましいです。目線が安定し、外の景色が見えると車酔いしにくいという説もあります。

短時間のドライブを重ねて慣れさせる

車酔いの予防には「慣れ」が何より大切です。最初はエンジンをかけたまま車内に数分留まるだけでもよく、段階的に滞在時間と距離を伸ばしていくのが効果的です。

車に慣れるためのトレーニング方法

ステップ1:車のそばに近づくことから始める

まずは車の近くに連れて行き、おやつを与えたり褒めたりして「車=怖くない場所」と刷り込むことから始めます。無理に乗せる必要はありません。

ステップ2:エンジンをかけた状態の車内に乗せる

次の段階として、エンジンをかけた状態の車内に乗せ、座らせたまま数分間過ごさせます。エンジン音や振動に慣れることが目的です。

ステップ3:ごく短い距離のドライブを行う

数分間の近所ドライブから始め、徐々に走行時間を延ばしていきます。目的地を公園や楽しい場所にすると、「車に乗ると楽しいことがある」という記憶に変えることができます。

ステップ4:クレートを活用して安心できる環境を作る

愛犬が普段から使っているクレートに入れ、そのまま車に乗せると安心感が生まれやすくなります。クレートは振動を軽減し、視界も限定されるため車酔いしにくくなる傾向があります。

まとめ:犬の車酔いは克服できる

犬の車酔いは、体質だけでなく心理的な要因も大きく関係しています。一度酔ってしまった経験が、次回以降の不安感を強めてしまうこともありますが、焦らず段階的に慣れさせていくことが大切です。飼い主が愛犬の変化に敏感に気づき、適切にサポートすることで、車に乗ることが苦痛ではなくなります。

予防と対策、そしてトレーニングを重ねることで、車でのお出かけがもっと楽しく、快適なものになるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました