犬の歯が折れたらどうする?原因・危険性・正しい対処法を解説

犬の歯が折れたらどうする?原因・危険性・正しい対処法を解説 犬について
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犬の歯が折れる原因とは?

遊びやおもちゃによるもの

犬は噛むことを通じてストレス発散や遊びを楽しみます。しかし、硬すぎるおもちゃや骨、鹿角などは歯に過度な負担を与え、折れるリスクを高めます。特に奥歯は噛む力が強くかかるため、硬質なものを繰り返し噛み続けることで破折に至るケースが多いのです。

事故や外傷によるもの

転倒や強い衝突などの外傷も原因となります。散歩中の事故や、高所からの落下、ドッグランでの激しい遊びなどがきっかけで歯が折れることがあります。犬種によっては顔や口周りがデリケートであり、比較的小さな衝撃でも歯にダメージが及ぶことがあります。

加齢や歯の構造的な弱さ

高齢犬では歯や歯茎の組織が弱まり、比較的軽い力でも歯が折れてしまうことがあります。また、若齢でもエナメル質形成不全など先天的な問題を抱えていると、健康な歯に比べて破折リスクが高くなります。

犬の歯が折れたのを放置する危険性

神経の露出と強い痛み

歯が折れると、内部にある歯髄(神経や血管)が外に露出することがあります。この状態は人間の虫歯で神経まで進行したときと同様、強烈な痛みを引き起こします。犬は言葉で痛みを訴えられないため、食欲が落ちたり、硬いフードを避けたり、普段より機嫌が悪くなったりすることで飼い主が異変に気づくことが多いです。放置すると痛みが慢性化し、行動や生活リズムにも影響を及ぼします。

犬にとって歯の痛みは日常生活を大きく損なう深刻な問題なのです。

感染症のリスク

歯が折れて神経が露出すると、口腔内の細菌が入り込み、炎症や膿瘍を引き起こす危険があります。感染が歯根や顎骨に広がると、顎の腫れや発熱、さらに重度の骨髄炎にまで進行する可能性があります。また、口腔内で繁殖した細菌が血流に乗って全身を巡ると、心臓や腎臓など重要な臓器に影響を与えることも否定できません。

小さな歯の破折でも放置すれば全身疾患の引き金となるため、早期の処置が不可欠といえます。

噛む力の低下と生活の質の低下

犬にとって歯は食事だけでなく、遊びや探索行動にも欠かせない存在です。歯が折れると噛む力が落ち、硬いフードやおやつを避けるようになり、栄養が偏る可能性があります。また、口に違和感や痛みがあるとお気に入りのおもちゃで遊ばなくなり、ストレスがたまって活動量が低下します。その結果、筋力の低下や肥満など二次的な健康問題にもつながりかねません。

歯の破折は放置すれば単なる口腔トラブルにとどまらず、犬の生活全体に悪影響を与えるのです。

犬の歯が折れたときの適切な対処法

獣医師に相談することが最優先

犬の歯が折れた際に最も大切なのは、自己判断せず動物病院を受診することです。外見上は軽く見えても、内部で神経や歯根に深刻なダメージが及んでいる可能性があります。時間が経つほど感染や痛みが進行し、治療が難しくなるため、できるだけ早く専門家に診てもらうことが重要です。

応急処置としてできること

受診までに飼い主ができる応急対応としては、出血している場合は清潔なガーゼで軽く押さえて止血し、口腔内を無理に触らず清潔を保つことです。痛みが強く出ているときは、食事を柔らかいものに変えて与えるなどの配慮も有効です。ただし応急処置はあくまで一時的な対応であり、必ず早めに動物病院に行く必要があります。

動物病院で行われる治療法

治療法は折れ方や犬の状態によって異なります。軽度で神経が露出していなければ研磨や保護材での処置が可能ですが、神経が出ている場合は根管治療や抜歯が必要となることがあります。感染が広がっていると抗生物質の投与も行われます。治療の選択は犬の年齢や体調も考慮して決められるため、専門的な診断と適切な処置が欠かせません。

歯が折れないための予防法

適切なおもちゃやおやつの選び方

犬の歯を守るためには、噛むおもちゃやおやつの選び方が重要です。骨や鹿角など極端に硬いものは、奥歯に強い力がかかり破折の原因となります。代わりに、弾力性のあるラバー製やナイロン製のおもちゃを選ぶとよいでしょう。また、硬いガムや大きな氷も避けることが望まれます。適切なおもちゃを与えることで、噛む欲求を満たしながら歯の健康を保つことができます。

定期的なデンタルケア

歯磨きやデンタルガムなどを取り入れることで、歯周病や歯石の蓄積を防ぎ、歯の健康を長く維持できます。歯周病が進行すると歯を支える組織が弱まり、わずかな衝撃でも折れやすくなります。毎日のケアが難しい場合でも、数日に一度は歯磨きを心がけ、歯垢や歯石を溜めない習慣を作ることが大切です。小さな積み重ねが破折予防につながります。

定期健診の重要性

定期的に獣医師の診察を受けることで、歯や歯茎の異常を早期に発見できます。特に中高齢の犬は歯や顎の組織が弱まり、破折のリスクが高まるため、年に1〜2回の歯科健診が推奨されます。専門的なクリーニングで歯石を除去すれば、歯周病や破折のリスクも軽減できます。家庭でのケアと合わせて、専門医のサポートを受けることが長期的な予防に効果的です。

まとめ:犬の歯が折れたら迅速に対応を

犬の歯が折れる原因は遊びや事故、加齢などさまざまですが、放置することは大きな危険を伴います。痛みや感染を避け、犬の生活の質を守るためには、折れた際に速やかに動物病院を受診することが何より大切です。また、日常のケアや予防策を徹底することで、歯の健康を長く保つことができます。

犬にとって歯は健康と生活の質を支える大切な器官です。このような状況に直面しても慌てず、正しい知識と行動で愛犬を守りましょう。

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