犬が誤食しやすい危険なものとは?家と散歩中での注意点と対策を解説

犬が誤食しやすい危険なものとは?家と散歩中での注意点と対策を解説 犬について
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はじめに:犬の誤食は「いつでも、どこでも」起こりうる

飼い犬が突然、食べてはいけないものを口にしてしまった――。そんな経験を持つ飼い主は少なくありません。犬は好奇心が強く、食べ物とそうでないものの区別が曖昧なため、誤食はどんな家庭でも起こりうる問題です。本記事では、犬が家の中や散歩中に誤食しやすいもの、その背景にある行動心理、そして誤食を未然に防ぐための具体的な対策を詳しくご紹介します。

犬と猫で誤食しやすいものに違いがある

犬と猫では、誤食しやすいものに明確な違いがあります。

犬は食欲旺盛で何でも口に入れやすく、チョコレートや玉ねぎ、キシリトール製品、靴下やおもちゃなどを誤食する傾向があります。一方、猫は好奇心から紐やビニール、輪ゴム、観葉植物などを誤って飲み込みやすく、特に糸状の異物は腸閉塞の原因になります。

犬は「食べ物と誤認」、猫は「遊びや探索の延長」で口にするケースが多く、それぞれに合わせた対策が必要です。

大型犬と小型犬ではどちらの方が誤食しやすい傾向にある?

誤食をしやすい傾向としては、小型犬の方が誤食しやすい傾向があるとされていますが、これは「傾向」の話であり、個体差や環境の影響も大きい点に注意が必要です。

小型犬の方が誤食しやすい理由

小型犬は小さな体に合わせて口も小さいため、人間の生活圏にある小さな異物(ヘアゴム、ボタン、ティッシュなど)が丸ごと入ってしまうサイズ感です。また、膝の上やソファ、ベッドなど生活空間の中心で過ごすことが多く、誤って落ちた薬やアクセサリーなどを拾いやすい環境にあります。

大型犬に多い誤食のパターン

キッチンカウンターやゴミ箱など、小型犬では届かない場所の危険物にアクセスしてしまうことがあり、誤食の「内容」が深刻化しやすい傾向にあります。また、大型犬は力が強く、一気に飲み込んでしまうケースが多いため、誤食に気づきにくく発見が遅れるリスクがあります。

  • 頻度や「拾い食い」の起こりやすさでは小型犬に軍配
  • 一方で、大型犬の誤食は一度に摂取する量が多く、重篤化しやすい

つまり、「どちらがより危険か」ではなく、犬の大きさに応じた異なるリスクが存在するという理解が大切です。どちらのタイプでも、環境管理としつけによって誤食を未然に防ぐことが最も重要です。

家の中での誤食:身近にある「危険なもの」の数々

食品に潜むリスク:人間には平気でも犬には有毒なもの

キッチンは、犬にとっては誘惑の宝庫です。調理中に落ちた食材やゴミ箱の中身、テーブルの上の料理など、犬にとって魅力的なにおいが常に漂っています。しかし、玉ねぎ、チョコレート、ブドウ、キシリトール入り製品など、人間にとっては普通の食材が、犬にとっては命に関わる毒になることがあります。こうした誤食のリスクは「ちょっと目を離したすき」に起こることが多く、家庭内での管理が重要です。

飼い主のにおいがついたもの:靴下、ハンカチ、マスクなど

犬は飼い主のにおいに強い安心感を覚えます。そのため、洗濯カゴの中の衣類や使い古した靴下、落ちたマスクなどを誤って飲み込んでしまうケースも少なくありません。これらの布類は胃の中で詰まりやすく、開腹手術が必要になることもあるため、注意が必要です。

身の回りの小物:おもちゃ、電池、プラスチック

リビングに置かれた子供のおもちゃや、電池、イヤホン、アクセサリーといった小物も誤食の対象になります。噛んで壊してしまったプラスチック片や金属片は、内臓を傷つける原因となるほか、誤飲した電池からは化学物質が漏れて中毒を引き起こす恐れもあります。

家での誤食を防ぐためにできること

生活空間のゾーニングと収納の見直し

まず大切なのは、犬にとっての「危険エリア」を明確に分けることです。キッチンやゴミ箱付近にはベビーゲートを設置し、犬が簡単にアクセスできないようにしましょう。また、衣類や小物類は床に置かず、必ず収納する習慣をつけることが大切です。マスクやハンカチはカゴに、おもちゃ類は蓋付きの収納箱へ移動するだけでも誤食のリスクは大きく減らせます。

誤食防止のためのしつけと代替行動の提案

犬が拾い食いをする原因の一つに「退屈」や「ストレス」があります。飼い主が留守中にやることがないと、家の中のものを探索し、噛んだり食べたりしてしまうのです。そのため、知育玩具や安全なガム、ノーズワークトイなどで代替行動を提案することで、誤食の予防につながります。さらに「離せ」「ダメ」などの指示語を普段から教えておくことで、緊急時の対応もスムーズになります。

散歩中の誤食:油断した隙に起こる事故

路上に落ちている危険物:タバコの吸い殻、ゴミ、食べ残し

散歩中の誤食は、特に拾い食い癖のある犬にとって大きな問題です。歩道や公園には、誰かが捨てたタバコの吸い殻や食べ残し、時には薬や毒餌のような危険物も落ちています。飼い主がリードを緩めた瞬間に、犬が素早く口にしてしまい、気づいた時にはすでに飲み込んでいたというケースも多く報告されています。

草や植物の誤食:自然の中にも潜む危険

犬は草を食べることがありますが、雑草の中には農薬が撒かれていたり、有毒植物が混じっていたりすることもあります。特にユリ科やツツジ科の植物は犬にも有害で、誤って食べてしまうと中毒症状を起こす恐れがあります。また、公園などに置かれた薬剤入りの除草剤や殺虫剤も危険です。

散歩中に口にするものは予測不可能

散歩中の環境は毎日変わります。昨日はなかったゴミが今朝は落ちている、ということも珍しくありません。特に早朝や夜間など、視界が悪い時間帯の散歩では、犬が地面のにおいを嗅ぎながら歩いている最中に、飼い主が気づかぬうちに誤食してしまうケースが多くあります。

散歩中の誤食を防ぐにはどうすればいい?

ショートリードとアイコンタクトの徹底

拾い食い防止には、まずリードコントロールが基本です。ロングリードではなく、犬の行動をしっかり制御できるショートリードを使用し、犬が地面のものを口に入れようとしたら即座に気づけるようにしましょう。また、散歩中に定期的にアイコンタクトを取り、「人と一緒に歩いている意識」を高めることも有効です。

拾い食い防止トレーニングの実施

「落ちているものには手を出さない」という習慣を身につけさせるために、練習が必要です。散歩中にあえて無害なものを地面に置き、「無視することが正しい行動」として報酬を与える訓練を行うことで、徐々に拾い食い癖を改善できます。

拾い食い防止アイテムの活用

どうしても改善が難しい場合は、口輪タイプのマズルガードや拾い食い防止ハーネスの使用も一つの手段です。見た目に抵抗を感じるかもしれませんが、命を守るためには有効な対策となります。愛犬が慣れるよう、徐々に装着に慣らしていくことが大切です。

誤食時の応急処置と動物病院への連絡

もしも犬が誤って何かを口にしてしまった場合、慌てずにまずは何を・どれだけ・いつ頃食べたのかを確認しましょう。そして、可能な限りその物の残りや包装を持って、すぐに動物病院に連絡するのが基本です。無理に吐かせることは危険を伴うため、自己判断では行わず、必ず獣医師の指示を仰いでください。

まとめ:誤食は「起こらない」ではなく「起こるもの」として備える

犬にとって誤食は命に関わる事故でありながら、日常のちょっとした油断から簡単に起こってしまいます。だからこそ「うちの子に限っては大丈夫」と油断せず、家では物の管理としつけを徹底し、散歩では注意深く行動することが求められます。犬との生活は楽しく安心できるものにしたい。そのためにも、今日から誤食対策を見直してみてはいかがでしょうか。

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