猫の避妊・去勢手術はいつがベスト?時期、流れ、費用、注意点を解説

猫の避妊・去勢手術はいつがベスト?時期・流れ・費用・注意点を解説 猫について
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猫の避妊・去勢手術をする目的と必要性

猫の避妊・去勢手術は、単に子どもを産ませないための処置ではありません。発情期のストレスを軽減し、問題行動や病気の予防にもつながる重要な健康管理の一つです。

メス猫の場合、避妊手術を行うことで乳腺腫瘍や子宮蓄膿症のリスクを大きく減らすことができます。特に乳腺腫瘍は、発情を何度も経験するうちに発症リスクが上がるため、初めての発情前に手術を受けることが理想とされています。

オス猫の場合も、去勢によってスプレー行動(尿のマーキング)や他の猫とのケンカを抑えられるほか、前立腺疾患や精巣腫瘍の予防につながります。結果として、ストレスが減り、飼い主との暮らしが穏やかで安定したものになります。

避妊・去勢手術の適切な時期

子猫の場合

一般的に、生後6か月前後が手術の目安とされています。体重が2kgを超え、全身麻酔に耐えられる体力がついた頃が目安です。

オスは早ければ生後5か月頃から発情行動が見られることがあるため、マーキングや鳴き声などの行動が出る前に手術を行うのが望ましいとされています。

メスは生後6か月頃に初めての発情を迎えることが多いため、その前に避妊手術を行うことで乳腺腫瘍などの病気のリスクを最も低く抑えることができます。

成猫・高齢猫の場合

成猫になってからでも手術は可能です。ただし、発情を繰り返している猫や高齢猫では、麻酔リスクや回復の遅れなどもあるため、事前に健康チェックを受けることが大切です。血液検査や心臓・腎臓の状態を確認してから安全に行うようにしましょう。

手術当日までの流れ

事前の診察と予約

動物病院ではまず事前診察を行い、健康状態や体重、ワクチン接種の有無などを確認します。ワクチンを接種してから2〜3週間空けて手術を受けるのが一般的です。

また、手術の前日から食事制限が必要になるため、病院からの案内をしっかり確認しておきましょう。

手術当日の流れ

手術当日は朝から絶食・絶水の指示が出る場合が多く、午前中に猫を預けることが一般的です。

オス猫の去勢は精巣を取り除く比較的短時間の手術で、10〜20分程度で終わることが多いです。一方、メス猫の避妊は開腹手術になるため、30〜60分ほどかかります。

手術中は全身麻酔をかけるため、猫が痛みを感じることはありません。術後は麻酔が覚めるまで安静にし、体温や呼吸のチェックを経て、日帰りもしくは一泊入院となります。

手術後の経過

オス猫は当日帰宅できる場合も多く、翌日から通常の生活に戻れることがほとんどです。メス猫の場合は開腹手術のため、1〜3日ほど入院するケースもあります。抜糸は7〜10日後に行われ、完全に傷口がふさがるまでおよそ2週間程度かかります。

手術にかかる費用の目安

費用は病院や地域によって差がありますが、オス猫の去勢手術で8,000〜15,000円程度、メス猫の避妊手術で15,000〜30,000円程度が一般的な相場です。公的な動物愛護センターや自治体によっては助成金制度が設けられており、申請すれば数千円〜1万円前後の補助が受けられることもあります。

術前検査、麻酔、術後の投薬、入院費などが別途かかる場合があるため、見積もりを事前に確認しておくことが大切です。

手術の前に準備しておくこと

手術を受ける前に、猫が安心して過ごせる環境を整えておきましょう。術後は動きが鈍くなったり、痛みで落ち着かないこともあるため、静かな場所にベッドや毛布を用意してあげます。

また、病院から「絶食・絶水」「キャリーケースでの移動」などの指示が出るため、事前に確認しておきましょう。キャリーは布などをかけて外の刺激を遮断してあげると、猫の不安がやわらぎます。

手術後のケアと注意点

傷口の管理

術後は猫が傷口を舐めないようにエリザベスカラーや術後服を使用します。舐めてしまうと感染や縫合糸の抜けにつながるため、飼い主がしっかり見守ることが必要です。また、傷口の赤みや腫れ、出血が見られた場合はすぐに病院に連絡しましょう。清潔な環境を保つことも重要です。

食事とトイレ

手術当日は麻酔の影響で食欲が落ちることがありますが、翌日には少量から再開して構いません。トイレの砂は、傷口に付着しないよう紙製などの軽い素材に変えると安心です。元気や食欲が戻るまでは無理に遊ばせず、安静を保つことを優先しましょう。

性格や行動の変化

避妊・去勢後はホルモンの変化により、性格が穏やかになる猫が多いです。発情期特有の大きな鳴き声やマーキングが減り、他の猫への攻撃性も落ち着きます。一方で、食欲が増して太りやすくなる傾向もあるため、術後はフードのカロリー調整や体重管理を意識する必要があります。避妊・去勢後専用フードを取り入れるのも有効です。

手術を迷う飼い主へのアドバイス

避妊や去勢に抵抗を感じる飼い主も少なくありません。しかし、繁殖を望まないのであれば、猫の心身の健康と家庭での安定した生活のために、早めの手術を検討することが勧められます。不妊手術は猫の寿命を延ばす効果も報告されており、望まない妊娠や病気のリスクを減らすという点で、猫自身の幸福につながる選択でもあります。

動物病院でしっかり相談し、猫の年齢・体調・性格を踏まえた上で最適な時期を判断しましょう。

まとめ:避妊・去勢手術は猫の健康を守る第一歩

避妊・去勢手術は、猫が穏やかに長く生きるための大切なステップです。生後6か月頃を目安に健康状態を確認し、信頼できる動物病院で行うことで、安全かつ確実に実施できます。手術そのものは短時間で済み、回復も早いですが、術後のケアや体調管理は飼い主の役目です。猫が安心して過ごせるよう、愛情と責任をもってサポートしてあげましょう。

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