猫のスコ座りは病気のサイン?スコティッシュ以外の猫もする不思議な座り方を解説

猫のスコ座りは病気のサイン?スコティッシュ以外の猫もする不思議な座り方を解説 猫について
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スコ座りとは?見た目のかわいさの裏に潜む理由

猫の「スコ座り」とは、後ろ足を前に投げ出してお尻を地面につけ、上体を起こしたまま前足を前にだらんと垂らして座る姿勢を指します。一見すると人間のように座っているこのポーズは、その愛らしさからSNSでも人気ですが、「スコ座り」という名前の通り、とくにスコティッシュフォールドによく見られることから注目されてきました。

この座り方には、「かわいい」以上の意味が含まれている場合があります。骨や関節の異常、筋肉の発達状態、もしくは日常的な姿勢のクセなど、猫の体に起きている変化が反映されている可能性があるのです。

スコティッシュフォールドとスコ座りの関係

遺伝的特徴による骨や関節への影響

スコティッシュフォールドは、耳が折れた特徴的な見た目で人気を集めている猫種です。しかし、この「折れ耳」を生む遺伝子(FD遺伝子)は、軟骨や骨の形成に影響を与えることが知られています。この遺伝子を受け継ぐことで、軟骨異形成症や骨の変形といった症状が起きやすくなるのです。

スコティッシュフォールドがスコ座りを頻繁にする理由の一つとして、こうした骨や関節への慢性的な違和感や痛みを緩和する姿勢として、この座り方を自然ととっている可能性があります。つまり、単なるクセではなく、身体的な負担を軽減しようとする結果として表れている行動とも言えるのです。

若齢期から見られることもあるが、要観察

スコティッシュフォールドの子猫の段階からスコ座りが見られる場合もあります。その段階では飼い主も「かわいい」で済ませがちですが、成長とともに関節に異常が出やすくなる特性を持つため、早期に頻繁にスコ座りをするようであれば、獣医師の診察を検討した方がよいケースもあります。

スコティッシュ以外の猫種もスコ座りする?

骨格の柔軟性と体重バランス

スコ座りはスコティッシュフォールドに限らず、他の猫種や雑種猫でも見られることがあります。特に骨格が柔らかく、筋肉の緊張が緩い個体では、このような姿勢を一時的にとることがあります。特別な遺伝的疾患を持っていない猫でも、環境の影響や体型、体重のバランスなどによって自然とこの座り方をすることがあるのです。

一時的なら問題はないが、頻繁にするなら注意

他の猫種でも一時的にスコ座りをするのは珍しいことではありませんが、それが頻繁であったり、座ったまま動かなくなったり、歩き方に違和感が見られる場合には注意が必要です。何らかの痛みや違和感を抱えているサインである可能性があるため、日常の観察が重要です。

どういうときにスコ座りをするのか?

安心してリラックスしているとき

猫がスコ座りをしているとき、周囲が静かで安心できる環境にあることが多いです。まどろみながらテレビの音や飼い主の動きを眺めているとき、陽だまりでウトウトしているときなど、リラックスした状態であればスコ座りをすることがあります。このようなケースでは、病気との関係は薄いと考えてよいでしょう。

運動後やストレッチの一環として

一部の猫は運動後にクールダウンするかのように一瞬だけスコ座りをすることがあります。また、前足や背中のストレッチの一環として偶発的にこの座り方になることもあります。この場合も一時的なものであれば問題ありません。

関節痛や骨の異常があるとき

頻繁にスコ座りをする猫や、動き出すまでに時間がかかる猫、座っていても不自然にじっとしている猫には注意が必要です。関節痛や椎間板ヘルニア、骨の変形、股関節異形成症などが潜んでいる可能性があります。特に高齢猫や、骨のトラブルが遺伝的に多い猫種では見逃さないようにしたいところです。

スコ座りをやめさせるべきか?その判断基準

無理にやめさせる必要はないが、観察は重要

スコ座りを見ただけで「やめさせるべきだ」とすぐに判断する必要はありません。猫が自然にとっている姿勢で、かつ一時的なものであれば問題にはなりません。逆に無理に姿勢を直させようとすることで、猫にストレスを与える可能性もあります。

ただし、頻度が高すぎる場合や、座っている時間が極端に長い、また動作に鈍さや不自然さが見られる場合には、早めに動物病院で診察を受けるべきです。

予防や管理が可能なケースもある

スコティッシュフォールドのように遺伝的に骨・関節にリスクを抱えやすい猫は、子猫の頃から体重管理を徹底することで関節への負担を軽減することが可能です。また、ジャンプのしすぎを防ぐレイアウトや、フローリングではなく滑りにくい床材を選ぶなど、日常環境でできる予防策もあります。

スコ座りが病気のサインである場合の主な疾患

関節炎(変形性関節症)

高齢猫や遺伝的に関節に弱さのある猫では、関節炎がスコ座りの原因になることがあります。炎症によって関節に痛みが生じ、通常の姿勢がとりづらくなるため、より負担の少ないスコ座りを選ぶようになるのです。

股関節形成不全

股関節の受け皿と骨のかみ合わせが悪い状態で、スコティッシュフォールドに多く見られる疾患の一つです。歩行に異常が出る前に、スコ座りとしてそのサインが現れることもあります。

椎間板疾患や神経の圧迫

背骨や椎間板に異常があると、後肢を使った通常の座り方が困難になります。このような状態では、猫が痛みを避けて楽な姿勢を探し、結果としてスコ座りになることも考えられます。

まとめ:スコ座りは観察と理解がカギになる

猫のスコ座りは、そのかわいらしさだけで片づけてしまうには少し注意が必要な行動です。とくにスコティッシュフォールドは遺伝的に骨や関節にリスクを抱えやすいため、スコ座りの頻度や様子を日頃からよく観察しておくことが大切です。

他の猫種でも見られることがあるこの座り方ですが、猫の健康状態や性格、環境によっても見え方が変わってきます。「スコ座り=すぐ病気」と決めつける必要はありませんが、日常的な行動のひとつとして、その背景を正しく理解し、異常を早期に察知するためのサインとして受け止めることが、愛猫との健やかな暮らしに繋がるでしょう。

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