名前を呼ぶとしっぽだけ動かす猫の心理とは?その意味と接し方を解説

名前を呼ぶとしっぽだけ動かす猫の心理とは?その意味と接し方を解説 猫について
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名前を呼ばれても寝たまましっぽだけを動かす猫の行動に隠された意味

飼い猫の名前を呼んだとき、体を起こすわけでもなく、しっぽだけをパタッと動かす様子を見たことはないでしょうか。一見「無反応」にも見えるこの仕草には、実は猫なりの明確な意思表示が含まれています。言葉を話せない猫だからこそ、しっぽの動きには心の中がそのまま表れていることもあるのです。

では、猫はなぜ呼ばれたときにしっぽだけを動かすのでしょうか。

しっぽは猫の感情を映すアンテナのようなもの

猫のしっぽは、ただの身体の一部ではなく「気分のアンテナ」として機能しています。しっぽを立てたり、先端だけを動かしたり、ゆっくり振ったりと、その動きは感情と密接に関わっているのです。犬とは異なり、猫のしっぽの振り方には「嬉しい」だけでなく、「面倒くさい」「うるさいな」「でもあなたの声は分かってるよ」といった複雑な感情も含まれています。

呼びかけに対してしっぽだけを動かす場合も、その感情のサインを読み取ることで猫の気持ちが見えてきます。

猫がしっぽだけを動かすときに考えられる心理状態

眠いけど、あなたの声には気づいている

一番多いのがこのパターンです。眠っている、あるいはうとうとしているときに名前を呼ばれても、起きる気はない。だけど無視しているわけではなく、「ちゃんと声は届いてるよ」という返事代わりにしっぽを振っているのです。猫にとっては最小限の労力で返事をしているとも言えます。

このときのしっぽの動きは比較的ゆっくりで、1~2回ほど左右に軽く振るのが特徴です。耳もわずかに動いていることがあります。

呼ばれたことに少しだけイラッとしている

寝ているところや落ち着いている最中に呼ばれたことで「なんで今?」と感じていることもあります。このときのしっぽの動きは、少し強めに床に打ち付けるような動きになります。バタッ、バタッと力強く振っていたら、それは「邪魔しないで」という猫なりの苦情かもしれません。

ただし、怒っているというよりは「静かにしてほしい」という控えめな不満の表現であり、本気で機嫌を損ねているわけではありません。

飼い主への反応としての「軽い返事」

猫にとって、しっぽを少しだけ動かすというのは「了解」「聞いてるよ」といったライトな意思表示でもあります。すぐに行動に移すつもりはないけれど、相手の存在を認識しているということを伝えているのです。

この場合は、しっぽの先をチョンと一回だけ動かす程度で、あまり大きなアクションにはなりません。猫の性格によっては「返事代わりにちょっとだけ動かしておこう」と思っていることもあります。

名前を呼んでも体を動かさない理由とは?

猫はもともとマイペースな生き物です。名前を呼ばれたからといって、毎回必ず起き上がったり寄ってきたりするわけではありません。これは無視しているのではなく、「呼ばれたからといってすぐ反応しなくてもよい」という判断をしているだけです。

また、猫にとっての「名前=行動を開始する合図」とは限りません。「しつけとして名前を呼ばれる=何か良いことが起きる」という習慣がついていれば起き上がって寄ってくることもありますが、そうでなければ軽い反応にとどまるのも自然なことなのです。

飼い主はどう対応すべき?猫のしっぽの反応を見極めて行動を選ぼう

無理に起こさないことが信頼関係のカギ

しっぽだけを動かしているということは、猫はリラックスした状態にあるか、あるいは静かな時間を大切にしている可能性があります。そのため、無理に起こしたり、何度も呼びかけたりするのは避けた方が良いでしょう。

呼びかけに対してしっぽで「はいはい」と返事してくれたなら、それ以上のアクションを求めることなく、そっとしておくことがベストな選択です。猫にとっても「この人は自分の気持ちを尊重してくれる」と感じるきっかけになります。

あえてそっと近づいてそばに座ってみるのもあり

一方で、静かにそばに寄り添ってみることで、猫が「この人なら一緒にいてもいい」と感じることもあります。呼んでも来なかったからといって距離を取るのではなく、そっと横に座って読書をしたり、静かに過ごしたりすることで、信頼が深まることもあります。

やがて猫の方から「なでてほしいな」「こっちに来たいな」と思って近づいてくることもあるでしょう。無理強いせず、気ままな猫のペースに合わせることがポイントです。

猫のしっぽの動きを日常的に観察してみよう

猫の感情は、鳴き声や表情だけでなく、しっぽの動きにも如実に表れます。特に、寝ているときやくつろいでいるときのしっぽの反応は、猫の「今の気分」を知る手がかりになります。

日頃から猫のしっぽの動きを観察しておくと、「これは機嫌がいい」「これはちょっと不満げ」といった微妙なニュアンスの違いも感じ取れるようになります。猫とより良い関係を築くうえで、しっぽは非常に重要なコミュニケーションツールなのです。

まとめ:しっぽだけ動かすのは“無視”ではなく“応答”

猫が名前を呼ばれたときにしっぽだけを動かすのは、「聞こえてるよ」「わかってるよ」といった返事や、「ちょっと静かにしてほしい」という軽いサインであることが多いです。決して無視しているわけではなく、猫なりのやさしいコミュニケーションなのです。

飼い主は、その仕草の意味を正しく理解し、猫の気持ちに寄り添った接し方を心がけることが大切です。呼んでも来ないときこそ、猫のしっぽが教えてくれる気持ちを、そっと感じ取ってみてください。

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