猫に朝顔は危険!舐める・かじる・触れるだけでも中毒症状を引き起こすことも

猫に朝顔は危険!舐める・かじる・触れるだけでも中毒症状を引き起こすことも 猫について
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朝顔は美しいけれど…猫にとっては危険な植物

夏の風物詩として日本の家庭に親しまれている朝顔(アサガオ)は、その鮮やかな花とつるを伸ばす姿が魅力です。しかし、この身近な植物が猫にとっては危険をはらんでいることをご存じでしょうか。とくに「猫 朝顔 舐める」「猫 朝顔 葉」といった検索ワードで情報を探す方が増えている背景には、飼い猫がベランダや庭で植物に興味を示す機会が多くなっていることが関係しています。

見た目には無害に見える朝顔ですが、実は種子や葉、茎などのすべての部位に中毒の原因となる成分が含まれています。飼い主にとっては「うちの子がまさか…」と思っていても、ちょっとした油断が中毒事故につながる可能性もあるのです。この記事では、朝顔が猫にとってなぜ危険なのか、舐めたりかじったりするとどんな症状が起こるのか、そして予防のためにできる対策までを詳しく解説します。

猫が朝顔を舐める・葉をかじるとどうなるのか

猫にとっての「毒性」はどの部位にあるのか

朝顔の植物全体には「インドールアルカロイド」と呼ばれる成分が含まれており、これは人間にとっても大量摂取すれば下痢や吐き気を引き起こすことがある物質です。猫の場合はより体が小さく、解毒能力も限られているため、少量でも健康に影響を及ぼすリスクがあります。

特に危険性が高いのは朝顔の種子です。種にはファルビチンやコンボルブリンという強い下剤作用をもつ物質が含まれており、猫が口にした場合、激しい下痢や嘔吐、脱水症状を引き起こす可能性があります。ただし、種子だけでなく葉や茎、花にも微量ながらこれらの有害成分が含まれているとされ、猫が舐めたりかじったりすることで中毒症状が起こることもあるのです。

具体的に現れる症状とは

朝顔に触れたり舐めたりした猫に見られる主な症状としては、食欲不振、嘔吐、下痢、よだれの増加、元気消失などがあります。とくに種子を摂取した場合は、これらの症状に加えてけいれんや神経症状が出ることもあり、放置すると重篤化する恐れがあります。猫は言葉で不調を訴えることができないため、飼い主がいち早く異変に気づくことが重要です。

症状の現れ方には個体差がありますが、葉を少し舐めただけであっても、その後数時間以内に異常が見られた場合にはすぐに動物病院を受診することが推奨されます。とくに若齢猫や高齢猫、持病のある猫では症状が重く出やすいため、注意が必要です。

猫が朝顔に興味を持つのはなぜか

つるや葉の動きが興味を引く

猫はもともと動くものに強く反応する習性があります。朝顔のつるや葉は風に揺れるたびにひらひらと動き、猫の目には「おもちゃ」のように映ることがあります。さらに、葉の形や質感が新鮮で、好奇心から匂いを嗅いだり、舐めたり、かじったりすることがあります。

また、猫は時折植物をかじることで毛玉の排出を助けたり、胃腸の不快感を解消しようとする行動を取ることがあります。猫草の代わりに手近な植物に口をつけることは決して珍しくありません。こうした自然な行動の延長として、朝顔に口をつけてしまうことがあるのです。

舐めるだけでも影響がある理由

「舐めるだけなら大丈夫では?」と考える飼い主もいるかもしれません。しかし、朝顔に含まれる有害成分は微量でも体内に取り込まれることで症状を引き起こすことがあります。葉に残っている朝露や水滴に溶け出した成分を舐めるだけでも、敏感な猫では胃腸症状が出ることがあるため、安全とは言えません。

さらに、植物の表面には農薬や害虫駆除剤、肥料成分などが付着している場合もあり、それらが中毒の原因となることもあります。ベランダで育てている朝顔が無農薬であっても、近隣からの飛散や雨による汚染の可能性もあるため、決して安心とは言い切れないのです。

猫と暮らす家庭での朝顔の取り扱い方

室内で育てるのはNG

猫が自由に出入りする室内で朝顔を育てることは避けるべきです。とくに出窓や室内のグリーンカーテンとして設置する場合、猫が触れたり舐めたりするリスクが高くなります。日常的に植物のある場所に猫が近づける状況では、いつ事故が起きてもおかしくありません。

また、室内に置かれた鉢植えは、猫にとって「かじる対象」や「土を掘る遊び場」になることがあり、植物そのもの以外にも、土や肥料などが健康リスクを引き起こすことがあります。朝顔を含め、有毒植物と猫が同居する環境はできるだけ避けましょう。

ベランダでも注意が必要

「外に置いていれば大丈夫」と思っていても、猫がベランダに出られる環境では注意が必要です。とくに日光浴や散歩ができるように開放している家庭では、猫が好奇心から朝顔に近づくことがあります。柵に這わせている場合は目線の高さに葉があるため、かじりやすい位置にあるとも言えます。

また、朝顔のつるが絡まってできた空間に猫が入り込み、逃げ出せなくなるという事故も報告されています。植物の栽培スペースと猫の行動範囲を明確に分けることが、予防の第一歩です。

万が一舐めてしまったらどうするか

慌てず症状を確認し、すぐに動物病院へ

猫が朝顔を舐めたり、かじった現場を目撃した場合には、まずは落ち着いて猫の様子を観察してください。よだれ、嘔吐、下痢、元気の消失などの症状が数時間以内に現れた場合は、速やかに動物病院へ連絡し、受診してください。

また、朝顔のどの部分をどれだけ摂取したかをできるだけ正確に把握しておくと、獣医師による診断や処置がスムーズになります。植物の一部を持参すると、正確な鑑別に役立つこともあります。自己判断で様子を見ることは避け、早めの対応を心がけましょう。

猫に安全な植物と暮らす選択を

朝顔のように美しい植物であっても、猫の健康を脅かす可能性があるなら、飼い主はその選択を見直すべきです。猫にとって安全とされる観葉植物やグリーンカーテン素材もありますし、猫草などの代替植物を用意することで、猫の自然なかじりたい欲求を満たしてあげることも可能です。

植物と共に暮らす楽しみを諦める必要はありませんが、猫と共に暮らすという視点を大切にした選択が求められます。インテリアや家庭菜園の中で、ペットとの共存を意識することが、猫の健康と幸福を守る第一歩になるのです。

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