シーズーの性格は?歴史や特徴、飼いやすさ、注意すべき病気まで解説

シーズーの性格は?歴史や特徴、飼いやすさ、注意すべき病気まで解説 犬種
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愛され続けるシーズーという犬種

ふわふわの毛並みとクリっとした大きな瞳で、多くの人々に愛されているシーズー。見た目の愛らしさだけでなく、穏やかで飼いやすい性格から、初心者にもおすすめの犬種として知られています。しかし、シーズーの魅力はそれだけではありません。中国の王朝に愛された歴史や、独自の気質、日々のケアのポイント、そして注意したい病気についても知っておくことで、より深くシーズーと暮らす喜びを感じられるはずです。

シーズーの歴史とルーツ

シーズーの起源はチベットにまでさかのぼります。チベット仏教と深く関わりのあるラサ・アプソという犬種が、シーズーの祖先とされています。チベットの僧院で神聖な存在として大切にされていたラサ・アプソは、中国に贈られたのち、ペキニーズとの交配によって現在のシーズーの姿が確立されたと考えられています。

特に清王朝時代には、宮廷内で非常に重宝され、「獅子狗(シーズークゥ)」と呼ばれ愛玩されていました。仏教の守護獣である“獅子”に似た風貌がその名の由来とも言われています。20世紀初頭に西洋へ持ち出されたことにより、ヨーロッパやアメリカでも人気を博し、現在では世界中で親しまれる小型犬となりました。

シーズーの性格:穏やかで愛情深い

シーズーの性格を一言で表すならば「温厚で愛情深い」。飼い主に対して非常に忠実で、甘えん坊な一面を持ち合わせています。攻撃的な性格ではないため、小さな子どもや高齢者がいる家庭でも比較的安心して迎えられる犬種です。

一方で、自立心もあるため、四六時中飼い主に依存しすぎるということも少なく、ほどよい距離感で信頼関係を築くことができます。警戒心はやや強めな傾向があり、知らない人や音に対して吠えることもありますが、これは番犬としての本能が影響しているともいえます。

さらに、感情表現が豊かで、嬉しいときにはしっぽをぶんぶん振ったり、顔全体で喜びを表現してくれるため、一緒に過ごす時間がとても愛おしく感じられるでしょう。

シーズーの身体的特徴と被毛の魅力

シーズーの最大の特徴とも言えるのが、流れるような長い被毛と丸くコンパクトな体型です。頭部は大きめで、鼻は短くつぶれたような形。これにより「ぺちゃんこ顔」と表現されることもありますが、この独特な顔立ちが多くの人を惹きつけてやみません。

被毛はダブルコートで、外毛は長くシルクのように柔らかく、内側には密なアンダーコートがあります。この毛並みは非常に美しい反面、絡まりやすく、毎日のブラッシングが欠かせません。毛色は多種多様で、白をベースにしたブリンドルやゴールド、ブラック、グレーなど、個体によって実にさまざまです。

体高はおよそ20〜27cm、体重は4〜8kg前後が標準的で、室内で飼いやすいサイズ感といえるでしょう。

シーズーは本当に飼いやすい?暮らしやすさの本質

多くの人が「シーズーは飼いやすい犬種」と言いますが、これは一面では真実であり、また一面では注意が必要な評価です。

まず第一に、性格の温和さと無駄吠えの少なさ、そして運動量があまり多くない点から、マンションや都市部でも非常に飼いやすいと評価されています。毎日激しい運動が必要な犬種ではなく、散歩も1日2回、15〜20分程度で十分なため、忙しい飼い主にも向いています。

しかしその反面、被毛の手入れには時間と労力がかかり、定期的なトリミングや日々のブラッシングを怠ると、毛玉や皮膚トラブルの原因になります。さらに短頭種に分類されるため、暑さや寒さに弱く、室温管理も重要です。

また、頑固な一面もあり、しつけにはやや根気が求められることもあります。可愛さに甘えてしまいがちな飼い主との関係では、主従関係が逆転してしまうケースも少なくありません。早い段階でルールをしっかり教えることが、快適な共生への鍵となります。

シーズーがかかりやすい病気と注意点

可愛らしい外見の裏には、体質的に弱い部分も存在します。特に気をつけたいのは以下のような疾患です。

まず、短頭種特有の「短頭種気道症候群」があります。鼻がつぶれたような構造により、気道が狭くなりやすく、呼吸音が大きくなったり、夏場に熱中症を引き起こしやすくなります。

次に、目が大きく出ているため、「乾性角結膜炎(ドライアイ)」や「眼球の損傷」「流涙症」などの眼疾患にも注意が必要です。風やホコリ、シャンプー時の泡が目に入らないようにするなど、日常的なケアが欠かせません。

皮膚疾患も多く、「アトピー性皮膚炎」や「脂漏症」など、皮膚のかゆみや炎症を起こす体質の個体が多く見られます。特にアンダーコートが密なため、湿気がこもりやすく、通気性の悪さからトラブルを招きがちです。

また、高齢になると「椎間板ヘルニア」や「心臓病(僧帽弁閉鎖不全症など)」のリスクも高まるため、定期的な健康診断と早期発見が健康維持の鍵となります。

シーズーとの暮らしをより豊かにするために

シーズーは、見た目の可愛さにとどまらず、飼い主に寄り添うような優しさと忠誠心を持った、非常に魅力あふれる犬種です。初めて犬を飼う人にも向いていますが、その一方で、日々のケアや健康管理にはしっかりとした理解と準備が求められます。

特に、毛並みの手入れ・室温管理・目や皮膚の観察は、日々のルーティンとして取り入れていく必要があります。その積み重ねこそが、シーズーとの信頼関係を築き、健康的な共生を実現する鍵になるでしょう。

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