猫の耳掃除をしたことがない人が多い理由とは?
猫を飼っている人の中には、「耳掃除をしたことがない」という人が実は少なくありません。猫自身がよく顔周りを舐めてグルーミングするため、見た目に清潔感があり、耳にまで手をかける必要がないと考えてしまうことも多いようです。しかし、外から見えない部分で汚れや異常が進行しているケースもあるのです。
耳掃除が必要な猫とそうでない猫の違い
猫の耳掃除はすべての猫に必要とは限りません。体質や品種によって耳垢の分泌量には差があり、自浄作用がうまく働く猫は手入れしなくても健康を保てる場合もあります。一方で、耳が蒸れやすい猫やアレルギー体質の猫では、定期的なケアが欠かせないこともあります。猫ごとの違いを見極める視点が重要です。
ウェットティッシュは耳掃除に使ってもいいのか?
「猫の耳掃除はウェットティッシュでしてもいいの?」という疑問はよく聞かれますが、注意が必要です。人間用のウェットティッシュはアルコールや香料が含まれていることが多く、猫の敏感な耳には刺激となります。使用するなら、ペット用で耳専用・低刺激と明記されている製品に限るべきです。それでも、使い方には細心の注意が必要です。
耳掃除をしたことがない猫には、どう接するべきか
今まで一度も耳掃除をしたことがない猫に、いきなり綿棒やティッシュを使うのは避けるべきです。耳は猫にとって敏感な場所であり、いきなり異物を差し込むような行為は強いストレスや反発を招きます。まずは耳のまわりを触ることから始め、時間をかけて“触られること”に慣れさせるステップが必要です。
耳の異常サインを見逃さないためにできること
耳掃除は汚れを取るだけではなく、異常をいち早く見つけるための行為でもあります。赤みやかゆみ、異臭、黒っぽい耳垢、しきりに頭を振る行動などは、耳ダニや炎症のサインかもしれません。異常があれば動物病院での診察が必要です。飼い主が気づくことで、病気の早期発見につながります。
耳掃除の頻度は「その猫次第」である理由
耳掃除の頻度に「正解」はありません。週に一度が適切な猫もいれば、数か月に一度で済む猫もいます。重要なのは、耳の中の様子を定期的にチェックし、必要なときにだけケアを行うというスタンスです。逆に掃除のしすぎは耳の皮膚を傷め、炎症を引き起こすリスクもあるため、やりすぎは禁物です。
まとめ:耳掃除を“しない”よりも、“観察しない”ことの方がリスクになる
「猫の耳掃除をしたことがない」という状態は、決して間違いではありません。しかし、“耳の中を気にしたことがない”“観察したことがない”という姿勢は、猫の健康を見落とす要因になりかねません。掃除そのものよりも、耳の状態に日々意識を向けること。その積み重ねが、猫の健康寿命を支える大切な習慣になるのです。